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          交通事故予防講演を通して 

4月に実施した交通安全教室の直後、生徒による交通違反や自転車に関連する事故が発生しました。特に後者の事案では、イヤホンを両耳に装着して自転車を運転していた本校生徒とみられる人物が、自転車の前輪に何らかの物が挟まり、そのはずみで歩行中の4歳のお子さまにぶつかってしまうという事故が起きました。お子さまは頭に怪我を負う事態となってしまいました。 

さらに、その事故の直後、お子さまの保護者が「止まって」と呼びかけたにもかかわらず、その生徒は立ち止まらずにそのまま走り去ったとの報告も受けております。事故そのもの以上に、責任ある行動がとれなかったことは大変残念であり、重く受け止めております。 

そうした経緯の中、被害に遭われたお子さまのお母さまから、「犯人捜しをするではなく、被害者の親としての思いを生徒たちに伝えたい」との申し出があり、昨日急遽、全校生徒を対象に交通事故予防講演を開催いたしました。 

講演では、事故当時の状況や親としての心情、そして「無責任な行動は一生誰かを傷つけてしまうかもしれない」という現実を真摯に語っていただきました。中でも、「AIと人間の違いはがあること。だからこそ他者の痛みを想像し、思いやりのある判断ができる」という言葉が印象に残ります。本校の生徒たちにとって、技術を学ぶ者として、人としての在り方を考える貴重な機会となりました。 

講演後、生徒たちからは「今日からイヤホンやスマホをしながら自転車に乗るのはやめます」「ながらスマホの危険性がよくわかりました」などの反応があり、自主的に行動を変えようとする声が多く聞かれました。 

今回の講演を拝聴し、交通安全とは、ただルールを守ることではなく、命と向き合い、他者を思いやる心を持つことだと私もあらためて気づきました。今後も生徒一人ひとりが主体的に安全を選び取れるよう、啓発と教育を継続してまいります。

保護者の皆様には、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。



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